スクイーズアウト株式併合の手続きの流れ!
スクイーズアウト株式併合とは
株式併合とは、複数の株式をより少数の株式にまとめて株式の数を減少させる手続きである(会社法180条)。株式併合を行った結果、1株未満の端数株式が発生した場合、会社又は株主がその株式を買い取ることにより、端数株式しか保有していない株主を株主から排除することができることから、少数株主排除(スクイーズアウト)のための手続きとして用いられる。
スクイーズアウト株式併合の手続きの流れ(フロー)
スクイーズアウト株式併合の手続きの流れ(フロー)は、以下のとおりです。
【1】(株式の併合)
第180条 株式会社は、株式の併合をすることができる。株式会社は、株式の併合をしようとするときは、その都度、株主総会の決議によって、①併合の割合、②株式の併合の効力発生日、③効力発生日における発行可能株式総数、を定めなければならない。取締役は、株主総会において、株式の併合をすることを必要とする理由を説明しなければならない。
【2】(株券の提出に関する公告等)
第219条 株券発行会社は、株式の併合をする場合には、株式の併合の効力が生ずる日(「株券提出日」)までに当該株券発行会社に対し当該各号に定める株式に係る株券を提出しなければならない旨を株券提出日の1箇月前までに、公告し、かつ、当該株式の株主及びその登録株式質権者には、各別にこれを通知しなければならない。ただし、当該株式の全部について株券を発行していない場合は、この限りでない。
第181条(第182条の4) 株式会社は、効力発生日の20日前(※)までに、株主に対し、同項各号に掲げる事項を通知又は公告しなければならない。
【4】(株式の併合に関する事項に関する書面等の備置き及び閲覧等)
第182条の2 株式の併合をする株式会社は、①株主総会の日の2週間前の日、②株主に対する通知の日又は公告の日のいずれか早い日のいずれか早い日から効力発生日後6箇月を経過する日までの間、同項各号に掲げる事項その他法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。株式の併合をする株式会社の株主は、当該株式会社に対して、その営業時間内は、いつでも、閲覧謄写等をすることができる。
【5】(株式の併合をやめることの請求)
第182条の3 株式の併合が法令又は定款に違反する場合において、株主が不利益を受けるおそれがあるときは、株主は、株式会社に対し、当該株式の併合をやめることを請求することができる。
【6】(効力の発生)
第182条 株主は、効力発生日に、その日の前日に有する株式の数に株式併合の割合を乗じて得た数の株式の株主となる。株式の併合をした株式会社は、効力発生日に、発行可能株式総数に係る定款の変更をしたものとみなす。
【7】(一に満たない端数の処理)
第234条・第235条 株式会社が株式の分割又は株式の併合をすることにより株式の数に一株に満たない端数が生ずるときは、その端数の合計数(その合計数に一に満たない端数が生ずる場合にあっては、これを切り捨てるものとする。)に相当する数の株式を競売し、かつ、その端数に応じてその競売により得られた代金を株主に交付しなければならない。
株式会社は、競売に代えて、市場価格のある同項の株式については市場価格として法務省令で定める方法により算定される額をもって、市場価格のない同項の株式については裁判所の許可を得て競売以外の方法により、これを売却することができる。この場合において、当該許可の申立ては、取締役が二人以上あるときは、その全員の同意によってしなければならない。
株式会社は、売却する株式の全部又は一部を買い取ることができる。この場合においては、①買い取る株式の数、②買取りをするのと引換えに交付する金銭の総額、を定めなければならない。取締役会設置会社においては、前項各号に掲げる事項の決定は、取締役会の決議によらなければならない。
【8】(反対株主の株式買取請求1)
第182条の4 株式会社が株式の併合をすることにより株式の数に1株に満たない端数が生ずる場合には、反対株主は、当該株式会社に対し、自己の有する株式のうち1株に満たない端数となるものの全部を公正な価格で買い取ることを請求することができる。「反対株主」とは、①株主総会に先立って当該株式の併合に反対する旨を当該株式会社に対し通知し、かつ、当該株主総会において当該株式の併合に反対した株主のことを言う。
【9】(反対株主の株式買取請求2)
第182条の4 株式買取請求は、効力発生日の20日前の日から効力発生日の前日までの間に、その株式買取請求に係る株式の数を明らかにしてしなければならない。
【10】(反対株主の株式買取請求3)
第182条の4 株券が発行されている株式について株式買取請求をしようとするときは、当該株式の株主は、株式会社に対し、当該株式に係る株券を提出しなければならない。
【11】(株式の価格の決定等1)
第182条の5 株式買取請求があった場合において、株式の価格の決定について、株主と株式会社との間に協議が調ったときは、株式会社は、効力発生日から60日以内にその支払をしなければならない。株式の価格の決定について、効力発生日から30日以内に協議が調わないときは、株主又は株式会社は、その期間の満了の日後30日以内に、裁判所に対し、価格の決定の申立てをすることができる。
【12】(株式の価格の決定等2)
第182条の5 株式会社は、裁判所の決定した価格に対する第1項の期間の満了の日後の年6分の利率により算定した利息をも支払わなければならない。株式会社は、株式の価格の決定があるまでは、株主に対し、当該株式会社が公正な価格と認める額を支払うことができる。
【13】(株式の価格の決定等3)
第182条の5 株券発行会社は、株券が発行されている株式について株式買取請求があったときは、株券と引換えに、その株式買取請求に係る株式の代金を支払わなければならない。
【14】(株式の価格の決定等4)
第182条の5 株式買取請求に係る株式の買取りは、効力発生日に、その効力を生ずる。
【15】(株券の提出に関する公告等2)
第219条 株券提出日までに当該株券発行会社に対して株券を提出しない者があるときは、当該株券発行会社は、当該株券の提出があるまでの間、当該行為によって当該株券に係る株式の株主が受けることのできる金銭等の交付を拒むことができる。株式併合株式に係る株券は、株券提出日に無効となる。
【16】(株式の併合に関する書面等の備置き及び閲覧等)
第182条の6 株式会社は、効力発生日から6箇月間、株式の併合が効力を生じた時における発行済株式の総数その他の株式の併合に関する事項として法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。株式の併合をした株式会社の株主又は効力発生日に当該株式会社の株主であった者は、当該株式会社に対して、その営業時間内は、いつでも、閲覧謄写等を請求することができる。